t-kimura降臨@オフィ

■えーと
日時: 2004/09/18(Sat) 04:49
名前: t-kimura

只今とてもながーい打ち合わせを終えてきました。延べ、6時間程の打ち合わせ。んで、まずmoveとして発表することは、

CCCDから無条件撤退します』

リスクは承知の上でのavexの英断にリスペクトします。無論、だからといって違法ダウンロードが減る訳では無いだろうし、それで売り上げが上がるという狙いの訳も無い。ただ、音楽業界の実験台にavexが祭り上げられ、某社と同時にプロテクトを導入せざるを得なかった、『ハードを持たないソフトウェア製作会社』としては現段階の判断は限りなく英断だと思います。
私はavexに対しコピープロテクトを推進した人間の一人です。勿論細かな条件はあり、結果望むべきモノに至らなかったとしても、音楽をPC用ソフトウェアのコピープロテクトと同様に扱う事に賛同したことは紛れも無い事実。個人的な誤算だったことは、『再生保障』が無かった事、そして44.1khz,16bitとCCCDの精度解析に至るまで人々の志向が向かうとは予想も出来なかったこと。そしてこれらが高音質を望む人々に対し『侮辱的行為』と評価された事。これら行いに対し、私は御詫びを申し上げなければならない。CCCDの商業的価値はさておき、優れた聴覚で音楽を嗜んでいた人々、心から申し訳ございませんでした。この経験から得たこととして、出来る限り、最高の音質で作品を発表できるよう努力いたします。(フットワークの優れた配信はこれらとは異なる価値観下に存在するものですが)
音質の話からはそれますが、自分の意見、価値観を公に唱えることはリスクでもあります。しかし、リスクを恐れて決定的な状況下で意見の述べないことは"それ"以上の問題だと感じます。
その様な志向性にならざるを得ない環境があるとするならば、それは紛れも無い全体主義であり、統制政治であり、最も民主的である筈の音楽の世界にはあってはならない環境です。ある国に優れた一人の政治家と優れた民がいるとするならば、最終的に『優れた民』が社会を牽引するのが世界が誇るべき民主主義だとおもいます。しかし某スポーツ業界の様に圧政的なシステムが存在することは全くもって疑問です。
『参入表明』しているお二方とお会いした事はございますが、理屈抜きでの自由競争を否定することは社会、及び経済システムが崩壊した現在では受け入れるビジネス論だとおもいます。結果が出る前に可能性を摘む行為を黙認するのであれば、日本は旧体制のシステムに沈没する事となるでしょう。近年見られがちな『こんな美味しい蜜の花を人に譲れるか』という圧政的な意識は排他するべきだと感じています。
誰にもチャンスがあり、誰にでも意見を述べる権利、そんな当然の主義主張が否定されるのであれば人々は権力の奴隷と化し、美意識は統制され、最終的には自由を剥奪されることとなるでしょう。裏の富みの所有者、プルトンやマルクス的な思想を美徳とする方には誠に恐縮な発言ではありますが、私は自由な思想を愛しています。そして、それが失われない事を心から願っています。
最後に、私の謝った選択が極一部の方達だとしても御迷惑を与えてしまったことを心より謝罪いたします。そして私に多くの勇気と力を与えてくれたスタッフ様、貴方達の葛藤は心から理解しているつもりです。しかしその手腕と築き上げた能力、そして人望を大切に考えて欲しい。艦長室の少人数では船は航海に出ることはできません。もし錨を上げてもその船は迷走し、やがては座礁するでしょう。多くの乗員を抱えながら。そして乗員のほんの数名は極めて危険な航海である理由を知っているのです。今は語らずとも。

ヲレの予想してた通りmoveの脱CCCDキタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!!!!